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Miscellany #2

佐藤正午の話 98/07/02
モバイル 98/06/26
祝 カウンター、100突破! 98/06/18
鴻巣君その後 98/06/04

MISC.#1 ---- MISC.#3

佐藤正午の話

98/07/02

  前述した「日機装」のPR誌「BRIGHT」を編集者の方が送ってくださった。  佐藤さんの書いたエッセイは「作家の四季」という題で、巻末に二ページ掲載されていた。その中に鳥里のURLが書かれてあり、これを読んでアクセスしてくれた皆さんに(佐藤さんは「そんな暇な物好き」と言っていたが)感謝します。
 今から二十年ほど前、佐藤さんとぼくは同じ大学に在籍し同じアパートに住んでいた。時間の都合のつかない佐藤さんの代わりに、北二十四条にある「鳥雅」というお店でアルバイトしたことがぼくが焼鳥屋になったきっかけだ。その後二人は見事に大学を中退し、佐藤さんは実家のある佐世保に帰り小説を書き出し、ぼくはアルバイトを続け焼鳥屋になったのだ。

 そのアパート、といってもトイレ玄関共同、風呂やシャワーは無しというものだったが、そのアパートの彼の部屋でいつものように麻雀をしていたときのことだった。麻雀も一段落し、彼がいれてくれたインスタントコーヒーをみんなで飲みながら、とりとめのない話をしていた。

 誰かがふと佐藤さんの首の横にある古い傷跡に気づいて、
「佐藤さん、その傷どうしたの?」と訊ねた。
 彼は首を少し傾げ、顎を小刻みに震わせながらコーヒーをひと口すすり、これはコーヒーを飲むときの彼の癖なのだが、ぽつりぽつり話し始めた。

ナイフ投げの男  ぼくがまだ小学生だった頃、ぼくの母は佐世保でアメリカ兵相手の小さなスナックをしていた。
 ある日、母のスナックに、たまたま町で興行していたサーカスのナイフ投げをしていた男がやってきた。
 店に入ったときからその男はひどく悪酔いしているように見えた。
「あんたは随分酔っているみたいだね。はやく帰った方がいいよ」と母は言った。
「俺は少しも酔ってないぜ」とナイフ投げの男は気色ばんだ。
「証拠を見せてやる」と言うと、ナイフ投げの男は右のポケットからナイフを取りだし、カウンターを挟んで立っていた母をめがけてナイフを投げようとした。その日たまたま店にいたぼくは、母をかばおうと、咄嗟に二人の間に入った。その瞬間、首筋が焼けるように熱くなって・・・・

 この彼の昔話はよく考えればあまりにも出来過ぎた話であったのだが、彼の語り口とその鮮烈なイメージに、その場にいた友人達は納得させられてしまっのだ。
 数年後、彼が佐世保に戻って、ぼくが何かの用事で彼の実家に電話を掛けるまで、ぼくはその白日夢のような彼の話を、何の抵抗もなく信じていたのだった。
 このように小説家というものは大嘘つきである。エッセイとはいえ、夜が明けかけた商店街のアーケードで警察官を質の良くない若者と勘違いして、うろたえて自転車で転んだというのは嘘に違いないと思う。佐藤正午は嘘つきであるが、質の良い嘘をつく。(褒め過ぎかな?)

ちはるさん、メールありがとうございました。さっそく返事を出したのですが、「そんなメールサーバーは知らないよ」というメッセージと共に戻ってきてしまいました。どうしたんだろう?

モバイル

98/06/26

リビングにシームレスで続く和室六畳間にパソコンを置いている。ダイヤルアップする時には、数メートル先の電話機のモジュラージャックを外して、モデムからのケーブルを繋ぐという原始的な方法で接続していた。
今週、妻の仕事の都合で家を空けることになり、その間、息子の面倒を見るため小樽の母が泊まりに来ることになった。ぼくの書斎化していた和室六畳間は母の寝室として明け渡すことになり、パソコンは息子の部屋に引っ越すことになった。その部屋は電話のある場所から七,八メートル離れているので、モジュラーケーブルが届かない。数日間、電話線の向こう側の世界と隔離されることになった。

ぼくのモバイルギア 深夜、いつもの習慣でホームページのカウンターやメールのことが気にかかる。我慢できなくなって、三〇キロ以上はあるディスプレー一体型の590C3を抱えて居間まで運ぶ。コンセントにプラグを差し込み、障子一枚向こうで寝ている母と息子を起こさぬよう、音量とディスプレーの輝度をしぼる。息を殺しながらNiftyにログインしてメールとフォーラムのログを落とした。数分で作業は終わり、そそくさと電源を切り、再び三十数キロの巨体を息子の部屋まで運んだのであった。
その時ふとテレビCMのワンシーンが浮かんだ。 「藤本、おまえ電子メールできる? モバイルでさあー」

祝! アクセスカウンター100突破 

98/06/18

アクセスカウンターが100を突破! 一度でも見に来てくれた方たちに感謝します。
カウンターの数字を見るのが毎夜の楽しみになっている。「今日は3増えた」とか「おーっと、今日は大漁。十以上増えてるぞ」とか、なんか近頃耳にしない景気の良い話ばかり。心がなごむ。

このページはマクロメディア社のDreamwaverの一ヶ月体験版を使って書いていたのだけれど、とうとうその使用期限が切れてしまった。使っていて本当に良くできたソフトだと思う。ソースもきれいに書いてくれるし、動作も速い。ただ、五万円以上という値段なので個人が使用するにはちょっと手がでない。機能を削ってもいいからもう少し安いもの作ってくれるといいなあ。
というわけで、タグのリファレンスを見ながら、ノートパッドを使って書き、ブラウザでイメージを確認するという効率の悪い方法で更新している。

鴻巣君その後

98/06/04

このまえの風の強い日の話である。入り口のガラス戸越しに暖簾が風で棒に絡まって情けない姿をさらしていたので、「暖簾を直しておいて」と井上君に頼んだ。
すると彼は暖簾を店の中に片づけようとしている。
「おいおい、まだ9時だよ」と あっけにとられながら言うと
「すいません、大分では『なおす』というのは片づけるという意味なもんで、うっかりして・・・・」
彼は九州、大分出身である。

アジア放浪の旅に出かけていた鴻巣君から絵はがきが来た。今はタイのタオ島という所にいるらしい。ダイビングの資格を取得中とかで、食べ物はうまいし、と羨ましい状況にあるようだ。


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